会計基礎 4分で読めます

キャッシュフロー計算書の読み方|営業CF・投資CF・財務CF の 3 区分

キャッシュフロー計算書の 3 区分(営業CF・投資CF・財務CF)の意味と、符号の組み合わせによる 8 パターンの一般的な解釈を整理します。 黒字倒産と営業CF の関係、FCF の計算方法も解説します。

編集: Zaimiru 編集部 ・公開日: 2026-06-11 ・最終更新日: 2026-06-11 ・編集方針計算ロジック訂正履歴

キャッシュフロー計算書とは

キャッシュフロー計算書(CF 計算書)は、1 年間の現金の出入りを 3 つの活動区分に分けて示す財務諸表です。損益計算書の利益は会計ルール上の数字であり、実際の現金の動きとはズレが生じます。そのズレを補完し「現金がどこから入り、どこへ出たか」を示すのが CF 計算書の役割です。

3 つの区分の意味

  • 営業キャッシュフロー(営業CF): 本業の事業活動で稼いだ現金。継続的にプラスであることが事業の健全性のひとつの目安とされます
  • 投資キャッシュフロー(投資CF): 設備投資・企業買収・有価証券の取得や売却による現金の動き。成長投資を行う企業では通常マイナスになります
  • 財務キャッシュフロー(財務CF): 借入・返済・増資・配当・自己株式取得による現金の動き。返済や株主還元が多ければマイナスになります

符号の組み合わせ 8 パターン

3 区分の符号(+/−)の組み合わせは 8 通りあり、企業の状態を大まかに推測する手がかりとして使われます。代表的な解釈は次のとおりです。

営業CF 投資CF 財務CF 一般的な解釈の例
本業で稼ぎ、投資と返済・還元を賄う成熟型とされることが多い
本業で稼ぎつつ外部調達も行う積極投資型に多いとされる
資産売却で現金を確保し負債を圧縮する整理型の可能性
先行投資期のスタートアップ型に見られるが、継続すると資金繰りに注意
本業不振を資産売却で補い返済を進める状態の可能性
資産売却と外部調達の両方に頼る状態で、注意が必要とされることが多い
事業・売却・調達のすべてで現金が増えており、大型投資の準備段階などで見られる
本業の不振の中で投資と返済が続く状態で、手元資金の推移の確認が重要とされる

あくまで一般的な傾向であり、単年の符号だけで企業の良し悪しを判断することはできません。業種特性(不動産・リースは投資CF の変動が大きい等)や複数年の推移と合わせて見る必要があります。

黒字倒産と営業CF

損益計算書が黒字でも、現金が不足すれば支払い不能となり倒産に至ることがあります(いわゆる黒字倒産)。利益とキャッシュが乖離する主な要因は次の 2 つです。

  • 売掛金の増加: 売上は計上済みでも現金は未回収
  • 在庫の増加: 仕入れで現金は出ていくが、売れるまで費用化されない

売上が伸びているのに営業CF のマイナスが続く場合、売掛金や在庫に現金が滞留している可能性があり、PL の利益だけでは見えないリスクのひとつとされています。

FCF(フリーキャッシュフロー)

営業CF から投資CF(の支出)を差し引いた残りが FCF です。

FCF = 営業CF − 投資CF

FCF は配当・自己株式取得・借入返済などに自由に使える現金の目安とされ、企業価値評価の基礎にもなります。詳細は フリーキャッシュフローとは? を参照してください。

zaimiru で確認する

よくある質問

キャッシュフロー計算書の 3 区分とは何ですか?

本業で稼いだ現金を示す営業CF、設備投資や資産売却による投資CF、借入・返済・配当などによる財務CF の 3 つです。営業CF が継続的にプラスであることが事業の健全性のひとつの目安とされます。

黒字なのに倒産するのはなぜですか?

損益計算書の利益は会計上の数字であり、売掛金や在庫の増加で現金回収が追いつかないと、黒字でも支払い資金が不足することがあります。営業CF のマイナスが続く場合は利益とキャッシュの乖離に注意が必要とされます。

FCF(フリーキャッシュフロー)はどう計算しますか?

営業CF から投資CF(の支出)を差し引いて計算します(FCF = 営業CF − 投資CF)。配当や借入返済などに自由に使える現金の目安とされ、企業価値評価の基礎にも用いられます。


関連記事

このカテゴリの他の記事を見る: 会計基礎

記事一覧に戻る