Piotroski F-Score とは
Piotroski F-Score は、会計学者 Joseph Piotroski 氏が 2000 年の論文で提案した財務スコアリング手法です。財務諸表から得られる 9 つの基準をそれぞれ 0 点 / 1 点で採点し、合計 0〜9 点で「財務状態が改善傾向にあるか、悪化傾向にあるか」を表します。
単一の指標ではなく複数の観点を機械的に合算するため、一時的な数値の振れに左右されにくく、企業の財務トレンドを俯瞰するのに向いています。zaimiru では 株価×財務分析 で各社の F-Score を確認できます。
9 項目の内訳
9 項目は「収益性 4 つ・安全性 3 つ・効率性 2 つ」の三領域で構成され、各項目を満たせば 1 点が加算されます。
収益性(4 項目) 1. ROA がプラス(当期純利益 > 0) 2. 営業キャッシュフローがプラス 3. ROA が前期より改善 4. 営業キャッシュフロー > 純利益(利益の質が高い)
安全性(3 項目) 5. 長期負債比率が前期より低下 6. 流動比率が前期より改善 7. 新株発行(希薄化)がない
効率性(2 項目) 8. 粗利率(売上総利益率)が前期より改善 9. 総資産回転率が前期より改善
4 番目の「営業 CF > 純利益」は、会計上の利益が実際のキャッシュに裏付けられているかを見るチェックで、フリーキャッシュフロー 分析とも通じる観点です。
スコアの解釈の傾向
- 8〜9 点: 収益性・安全性・効率性がそろって改善しており、財務トレンドが良好とされることが多い
- 4〜7 点: 改善項目と悪化項目が混在する中間的な状態
- 0〜2 点: 多くの項目で悪化が見られ、財務トレンドが弱含みとされることが多い
元論文は簿価時価比率の高い銘柄群を対象とした研究であり、高スコアが将来のリターンを保証するものではありません。スコアはあくまで過去の財務諸表から機械的に算出した「トレンドの要約」であり、投資判断は利用者自身の責任で行う必要があります。
Altman Z-Score との違い
同じ財務スコアでも、Altman Z-Score とは測っているものが異なります。
- Altman Z-Score: 財務指標の「水準」を加重合算し、倒産リスクの高低を判定する
- Piotroski F-Score: 前期比の「変化の方向」を中心に採点し、財務の改善 / 悪化トレンドを捉える
Z-Score が高くても F-Score が低ければ「財務基盤は厚いが直近は悪化傾向」、逆なら「基盤は薄いが改善途上」といった読み方ができ、併用することで水準とトレンドの両面を確認できます。
注意点
- 前期比較ベースのため、業績の谷からの反発局面ではスコアが高く出やすいなど、景気サイクルの影響を受けます
- 金融業など業種特性によっては一部項目(流動比率など)が馴染まない場合があります
- 9 項目はいずれも過去データの集計であり、将来の業績や株価を予測するものではありません
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よくある質問
Piotroski F-Score とは何ですか?
収益性 4 項目・安全性 3 項目・効率性 2 項目の計 9 項目を 0/1 で採点し、合計 0〜9 点で財務状態の改善・悪化トレンドを表すスコアです。会計学者 Piotroski 氏が 2000 年に提案しました。
F-Score は何点なら良いのですか?
8〜9 点は財務トレンドが良好、0〜2 点は悪化傾向とされることが多いです。ただし過去の財務諸表から機械的に算出した要約であり、将来のリターンを保証するものではありません。
Altman Z-Score との違いは何ですか?
Z-Score は財務指標の水準から倒産リスクの高低を判定するのに対し、F-Score は前期比の変化を採点して財務の改善・悪化トレンドを捉えます。併用すると水準とトレンドの両面を確認できます。
F-Score の 9 項目には何が含まれますか?
収益性は ROA プラス・営業CF プラス・ROA 改善・営業CF が純利益超の 4 つ、安全性は長期負債比率低下・流動比率改善・新株発行なしの 3 つ、効率性は粗利率改善・総資産回転率改善の 2 つです。