有価証券報告書(有報)とは
有価証券報告書(有報)は、上場企業などが金融商品取引法に基づき事業年度ごとに提出する法定開示書類です。決算数値だけでなく、事業内容・リスク・経営者による分析・配当政策・役員や大株主の状況まで、企業の全体像を網羅した一次情報です。
提出期限は原則として事業年度終了後 3 ヶ月以内で、3 月期決算の企業なら 6 月下旬に提出が集中します。
有報の構成 — 5 つの大区分
有報は概ね次の順序で構成されています。
- 企業の概況: 主要な経営指標等の推移、沿革、事業の内容、従業員の状況
- 事業の状況: 経営方針、事業等のリスク、MD&A(経営者による財政状態・経営成績・キャッシュ・フローの分析)
- 設備の状況: 設備投資の概要、主要な設備
- 提出会社の状況: 株式の状況、配当政策、役員の状況、コーポレート・ガバナンス
- 経理の状況: 連結財務諸表・個別財務諸表と注記(セグメント情報を含む)
投資家がよく読むセクション
全文を通読する必要はなく、目的に応じて読む場所を絞るのが一般的です。
- 主要な経営指標等の推移: 冒頭にあり、売上高・純利益・自己資本比率などの 5 年推移を一覧できる
- 事業等のリスク: 会社自身が認識しているリスク要因の説明
- MD&A: 増減益の理由や資金繰りを経営者の言葉で説明する箇所
- セグメント情報: 事業別の売上・利益(経理の状況の注記に掲載)。詳細はセグメント情報の読み方
- 財務諸表: BS・PL・CF の本体。読み方の基礎は財務諸表の読み方
巻末には監査報告書(監査意見)も掲載されます。
EDINET とは — 無料で使える金融庁の開示システム
EDINET は金融庁が運営する電子開示システムで、有報・半期報告書・大量保有報告書などを誰でも無料で閲覧できます。企業名や証券コードでの検索に対応し、書類は HTML / PDF に加えて XBRL という構造化データ形式でも提供されるため、データとしての機械処理にも適しています。
過去に提出された有報も一定期間さかのぼって閲覧できるため、複数年度の開示内容を比較する用途にも使えます。誤りがあった場合は訂正有価証券報告書が別書類として提出される点も知っておくと便利です。
決算短信との違い
- 決算短信: 証券取引所のルールに基づく決算の速報。決算期末後 45 日以内の開示が目安で、監査人の監査は義務付けられていない
- 有価証券報告書: 法律に基づく確定版で、監査済みの財務諸表を含む。情報量は圧倒的に多いが、提出は決算後 3 ヶ月以内
速報性は決算短信、正確性と網羅性は有報、という役割分担で使い分けるのが一般的です。
zaimiru で確認する
Zaimiru は EDINET で開示された XBRL データを構造化し、有報を直接読まなくても主要指標・セグメント情報・監査関連情報を確認できる形で提供しています。
よくある質問
有価証券報告書とは何ですか?
上場企業などが金融商品取引法に基づき事業年度ごとに提出する法定開示書類です。財務諸表のほか、事業内容・リスク・MD&A・配当政策・ガバナンスなど企業の全体像を網羅し、監査済みの確定情報として開示されます。
有価証券報告書はいつ提出されますか?
原則として事業年度終了後 3 ヶ月以内に提出されます。3 月期決算の企業であれば 6 月下旬に提出が集中します。EDINET で提出後すぐに無料で閲覧できます。
決算短信と有価証券報告書はどう違いますか?
決算短信は取引所ルールに基づく速報で監査は義務付けられていません。有価証券報告書は法定の確定版で監査済み財務諸表を含み、情報量も多い一方、開示時期は決算後 3 ヶ月以内と遅くなります。
EDINET は誰でも使えますか?
はい。EDINET は金融庁が運営する電子開示システムで、登録不要・無料で誰でも利用できます。企業名や証券コードで検索でき、書類は HTML / PDF / XBRL 形式で提供されます。